渋滞
どんなに言葉をつくしてみても
あなたには
小指の先ほどしか伝わらない
私の気持ち
昨日見た夕日を
卵の黄身のような
あのオレンジの照り返しを
沈んでいく太陽に向かって
細くちぎられた雲が
別れを惜しむかのように
集まっていくさまを
400字詰めの原稿用紙に
びっしりと書き連ねた説明文が
10トントラックの荷台に一杯
そんなトラックが
一台
二台
三台
次々と
あなたに向かって
東名高速をひた走る
私の言葉を満載したトラックで
東名高速は大渋滞
誰かの言葉を積んだトラックが
今日もどこかで
渋滞している
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